教育・学習

3つのアドバイスを元に気軽に作文を書いてみよう!

3つのアドバイスを元に気軽に作文を書いてみよう!

 2016年2月18日に掲載した「メールはできるけれど作文は苦手!の3つの理由」の記事では、メールと作文の違いについて以下の3つであることを紹介しました。

 1. 相手がはっきりしない
 2. 自分に伝えたいことがない
 3. 長く書かなくてはいけない

 では、どうしたら作文が書けるようになるのでしょうか。
 佐竹秀雄(公財)日本漢字能力検定協会 現代語研究室室長によれば、この三点こそが、作文嫌いを作り上げている。いわば、作文の書く気をなくさせている〝犯人〞だ、とのこと。

 つまり、作文のやる気を出すためには、この三点に対する手当てをすればいいのだといいます。

 では、その手当の方法を1つずつ紹介します。

1.相手がいない → 読者を想定してみよう。

 一番簡単なのは、学校などの先生。あるいは、友人や知人でも良いそうです。
 ただし、テーマによっては難しい場合もありますし、友人を想定するとつい話し言葉のようになってしまう場合もあります。
 そこで、佐竹氏のお勧めは、「新聞の投書をイメージすること」。一般の読者が読むという想定で書くのだそうです。

 もし、新聞の投書欄を読んだことがないという人は、ぜひ一度読んでみましょう。小中学生の投書が載ることもありますよ!

2.伝えたいことがない → 立派なことを書かなくてもよい。身近なことから書いてみよう。

 メールは気軽に送れるのに、鉛筆を持って原稿用紙の前に向かった途端に、急にかしこまり始めてしまう気持ちは、大人でもわからなくはありません。
 しかし、佐竹氏の言葉を借りると「作文は文章を書く練習」。最初から上手に書こうとする必要は全くないのです。また、「伝えることは小さなことでいいのです。自分の伝えたいことを正直に考えてみましょう」とも言っています。
 たしかに、登下校中に起こった出来事、休み時間に友達と話したこと、お母さんに叱られたことなど、身近なことからなら書き出せそうです。

3. 長く書けない → 短くても良いと考えて!そこから説明を丁寧にしていこう!

 原稿用紙何枚に仕上げなくては!と思って最初から書こうとすると詰まってしまうかもしれません。
 しかし、最初は短くても良いのだそうです。
 大切なのは、「書きあげたら読み返してみる」、そしてそのとき、「相手が新聞の読者、つまり、自分が知らない人だということを思い出す」こと。さらに、「相手は自分のことについて何も知らないのですから、くわしく丁寧に説明しないと通じません。説明を省いていないか、省略していることはないかを考えて、それらを補います。すると、文章はどんどん長くなります。」と佐竹氏は続けています。
 なるほど、ここで1.の読者を想定するというところがポイントになるわけですね。
 学校の先生や友人を想定すると、作文の中で省略してしまいがちな事柄も、自分のことを知らない人に説明するという意識を持つことによって、きちんと補うことができ、より読みやすい内容になります。


 作文を書くのが苦手なお子さんには、「とりあえず何でもいいから書きなさい!」と言う前に、ぜひ上の3つのアドバイスをしてみてください!

≪参考リンク≫

【コラム 知っ得ことば情報】 「メール」を送る感覚で、気軽に作文を書いてみよう! 「漢検ジャーナルVol.14」(2015.2.2発行)掲載 
・漢字カフェ「メールはできるけれど作文は苦手!」の記事を読む方はこちら

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