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子どもから大人まで楽しく学べる「漢字イージャン」とは!?

子どもから大人まで楽しく学べる「漢字イージャン」とは!?

 常に漢字に関するオモシロ情報を求めている「漢字カフェ」編集担当。山口県山陽小野田市に漢字を使った面白いゲームがあると聞き、さっそく取り寄せてみました。

 その名は、「漢字イージャン」。

 さっそく届いた箱を開けてみると、「木」「さんずい」「女」など34種類の漢字のパーツが書かれた麻雀牌(イージャン牌)が入っています。

漢字イージャンのセット内容

 このイージャン牌を組み合わせることでさまざまな漢字が出来上がります。

 例えば、これは「化」。

漢字イージャンの組み合わせで作った「化」

 3つ組み合わせて「花」。

漢字イージャンの組み合わせで作った「花」

 さらに組み合わせると、こんな漢字も。(少しバランスは悪いですが)何と読むかわかりますか?

漢字イージャンの組み合わせで作った「椛」

 ゲームの進行方法は麻雀とほぼ同じで、手持ちの牌を組み合わせながら漢字を作っていきます。14枚すべての牌を使って2枚以上の牌で組まれた漢字が出来れば上がり。上がる時には、できた漢字の読みを言わなくてはなりません。

 そして上がった人には上がり点と出来上がった漢字に応じた得点が加算されます。漢字の得点は、多くの牌を組み合わせるほど点数が高くなります。さらに、負けた人にもその時点で出来上がっている漢字に対して点数が与えられます。

 さっそくチャレンジしてみると、これが実に面白い。どんな組み合わせの漢字が作れるのか真剣に頭を動かしながら、牌を動かしていきます。牌を捨てたあとで「ああ!あの漢字が作れたのに!!」なんてこともしばしば。あまりに真剣すぎて1局が終わるのに30分もかかってしまいました。複雑な組み合わせの漢字ができると達成感が生まれ、次はこんな漢字を作りたい!と欲が出てきます。

 大人でもこれだけハマってしまう「漢字イージャン」。開発者の萬谷(まんたに)憲二さんに開発の経緯についてお話をうかがいました。

 ―どうして「漢字イージャン」を開発されたのですか?
萬谷さん(以下同)「今から30年ほど前、まだ子どもが小さかった頃に、漢字を遊びながら覚えられるようにと「漢字イージャン」を考案しました。その後、著作権登録をして大手の玩具メーカーさんにも企画提案したのですが、当時はテレビゲームが大ブーム。アナログ式のゲームは売れないと言われてしまい、当時会社員だったこともあり、それ以上の行動を起こす気持ちが湧かずに断念しました。」

 ―そんな前から!一度断念してから再度つくられた経緯は?
「定年後に当時の気持ちが再燃し、数年前に意匠登録して麻雀牌の会社に企画提案しましたが、またしても断られてしまいました。意を決して2017年に自費で商品化し、「イージャンカンパニー」という会社を設立して普及・販売しはじめました。」

 ―会社まで立ち上げられたとはすごいですね。漢字を組み合わせるゲームならば他の形式もあると思うのですが、麻雀形式にしたのには理由があるのですか?
「最初はカード形式にしてみたんですが、そうするとカードを持つために両手がふさがってしまって、漢字を組み合わせるためにカードを移動させたり、“花”のようにパーツが上にくるような漢字を考えたりするのが難しくなるんです。麻雀牌なら、牌を立てておけるので、移動させることも上に並べることも簡単にできます。」

 ―麻雀牌だから複雑な漢字の組み合わせも考えられるんですね。34種あるパーツはどのように選ばれたのでしょうか。
「なるべく多くの漢字が作れるようにパーツを選びました。ただし、汎用性の高いパーツばかりだとどれを捨てて良いか判断しづらくなるので、汎用性のあまり高くないパーツもあえて入れています。試行錯誤の結果ですね。」

 ―現在、「漢字イージャン」はどのようなところで使用されているのでしょうか?
「私が住んでいる自治会では、2年ほど前から高齢者の方を中心とした漢字イージャンをする場を設けています。また最近では、市内で高齢者向けの健康講座や小学校の放課後の時間、不登校のお子さんたちが集まる教室などで取り組んでもらっています。漢字や麻雀のルールを知らない子どもでも、それぞれのパーツからどんな漢字ができるかの一覧表を渡して何度かゲームをしていると、あっという間にゲームに参加できます。高齢者にとっては、漢字の組み合わせを考えながら、牌を動かすということで良い脳のトレーニングになるんです。」

 ―私たち大人もとても楽しませてもらいました。今後はどのように使っていただきたいですか?
「これから一人でも多くの方に漢字イージャンを楽しんでもらいたいです。子どもから大人まで一緒に遊べますから、親子や祖父母と孫など家族みんなで遊んでもらえたらうれしいですね。」


 今回、実際に「漢字イージャン」を体験した人からは、
「大人でもおもしろい。複雑な漢字の組み合わせがなかなか出てこなくて、頭の固さを痛感した!」
「麻雀のルールさえ最初に説明できれば、子どもでもできそう」
「漢字がパーツの組み合わせでできていることを自然と理解できる」
「何度もゲームをしているうちに同じパーツを持つ漢字の共通点にも気が付くことができそう」
という声がありました。

 もしかすると、新しい漢字学習法になるかも!?

 「漢字イージャン」についてのお問い合わせは、イージャンカンパニー萬谷様(TEL:0836-83-8612)へ。

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