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11月28日、大修館書店から『大漢和辞典デジタル版』がついに発売!
2018.10.22
全15巻、約5万字の親字が収録されている大修館書店の『大漢和辞典』。日本で最大の漢和辞典であるこの辞典のデジタル版が、大修館書店の創業100周年記念企画として今年11月に発売されることが発表されました。
『大漢和辞典』は今からおよそ90年前、1927年に漢学者の諸橋轍次氏によって編纂が開始され、1943年に巻1が発行されました。その後、戦火により原版が消失する苦難を乗り越えながら、1955年から1960年にかけて初版全13巻の発行が完了。その後も修訂作業が進められ、1986年に修訂版の発行を完結。また、1990年には『語彙索引』が、2000年には『補巻』が刊行され、全15巻となりました。常用漢字が2136字、漢検1級レベルの漢字(JIS第1水準・第2水準)で約6千字ですから、5万字という数がいかに膨大かがわかります。実際、紙の『大漢和辞典』を引いてみると、見たことも聞いたこともないような漢字が多数並んでいます。
パソコンやスマホが普及した現代では、様々な辞典のデジタル化が進められています。『大漢和辞典』も長年デジタル化が望まれてはいたものの、データ量が膨大かつコンピューターで入出力することができない文字も多く、デジタル化は困難であろうと言われてきました。そのため、今回、デジタル化が実現されることは、多くの漢字研究者や漢字ファンを驚かせています。
気になる機能ですが、紙の『大漢和辞典』に収録されている5万字以上の親字が、漢字入力や大漢和番号、ユニコードなどで直接検索できるほか、部首、総画、音訓、部品を組み合わせることによる「複合検索」も可能。部首や読みがわからなくても漢字の一部分で調べることのできる「部品検索」はデジタル版独自の機能とのことです。* また、よく引く親字を登録できる「お気に入り」機能や、調べたページにメモを付けて登録できる「付箋」機能も搭載されているそうです。
*検索対象はあくまで親字だけで、紙の『語彙索引』に相当する熟語検索の機能は搭載されていないそうです。
親字の字義など本文の情報は画像で表示され、紙の約4倍まで表示を拡大できるなど、さまざまな機能を搭載したページビューアで閲覧できるとのことです。 販売形態は、化粧函入りのUSBメモリ(右図)で、USB1本につきパソコン(Windows7/8.1/10対応)1台にインストールすることができます。通常価格は13万円(税別)ですが、2019年3月末までは10万円(税別)の発売記念特価となっています。現在、大修館書店の特設サイト上で予約することもできます。同サイトでは、デジタル版の基本機能や操作方法を画像や映像つきで紹介していますので、購入を検討されている方は一度ご覧になることをお薦めします。
漢字ファンならば一度は覗いておきたい『大漢和辞典』。ぜひこの機会にデジタル版を手に入れてみてはいかがでしょうか?
<リンク>
大修館書店『大漢和辞典デジタル版』の特設サイトはこちら
<画像>
大修館書店提供
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