2位以下だって面白い!「今年の漢字」

毎年末に1年の世相を漢字で表す「今年の漢字」。清水寺での発表風景を見たことがある人も多いだろう。1995年にスタートし、初年は「震」、東日本大震災があった2011年は「絆」、そして2015年は「安」だった。
「今年の漢字」は毎年公募で決まるということをご存じだろうか。そして、応募数1位になった漢字の他にも2位~20位の漢字も公表されている。これを見ると何度もトップ10に登場する、いわば“常連”の漢字もある。そして、21年間のうち、実に14回もトップ10入りしているにも関わらず、一度も1位の座につけていない漢字があった。その漢字とは…
「乱」である。
1995年で2位にランクインしてから2004年まで10年連続でトップ10入りし、その後も何度かランクインしている。他の漢字が最高でも6回であるのに対して断トツだ。
14回もトップ10にノミネートし続けている「乱」だが、その理由や背景は年によってさまざまだ。
1995年に2位に入った時には、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件など世の中を混「乱」させる出来事があったことから選ばれていた。最近では2012年(1位は「金」)の5位に「乱」が入ったが、その理由には“近隣諸国との関係に「乱」れが生じ、国内では脱原発デモの発生などによる政治混「乱」が続いた。衆議院の解散後には政党が「乱」立。”などが理由として挙がった。
「今年の漢字」は1位になった漢字に注目が集まりがちではあるが、ぜひ2位以下の漢字やその漢字を選んだ理由にもぜひ注目してみていただきたい。きっとその年の様子がさらに思い起こされるだろう。
≪参考リンク≫
・「乱」という漢字を漢字ペディアで調べてみよう!
・「今年の漢字」公式ホームページ (公財)日本漢字能力検定協会
・20周年を迎えた『今年の漢字』-20年の軌跡<新時代の鼓動> 「漢検ジャーナルVol.16」(2015.10.1発行)掲載