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SNSで話題『漢字の使い分けときあかし辞典』で、同訓異字を使いこなそう!

SNSで話題『漢字の使い分けときあかし辞典』で、同訓異字を使いこなそう!

 こんにちは、漢字カフェ担当のキンスケです。

 「固い」と「硬い」と「堅い」、「柔らかい」と「軟らかい」など、漢字の使い分けに迷うことはありませんか?そんなときに役立つ『漢字の使い分けときあかし辞典』(研究社)を紹介します。

 この本は、同じ訓読みをする漢字「同訓異字」の使い分けが書かれた辞典です。409項目、のべ1163字が『常用漢字表』の範囲を越え、広く取り上げられています。例えば「つく/つける」の項目には、「付」「着」「就」「点」「憑」「即」「跟」「尾」「附」の字が並び、説明が7ページ以上に及んでいます。その説明部分では、「定食にはみそ汁が付く」「立ち上がると頭が天井に着く」「家路に就く」「王位に即く」…と用例が豊富に掲載され、使い分け方が示されています。

 今回は、私がよく迷う「うつす/うつる」(「写」・「映」)を調べてみました。最初に使い分けのポイントが「複製する場合、カメラで記録する場合は、《写》を用いる」「光の作用で影や像が見えるようになる場合には、《映》を使う」とまとめられています。その後、一字ずつ詳しい説明が続きます。まず、《写》の本来の意味、そこから《写》が広く「複製する」ことを指すこと、例文「試験前に友だちのノートを写す」や「紙が薄くて裏写りする」などが書かれています。《映》の説明も同様の流れです。そして、2つの字の使い分けについて「映像を記録する場合は《写》を使い、記録した映像を何かに投影する場合は《映》を用いる」と示されています。例文が多いので、どの字が適切なのか判断しやすいです。また、説明が詳細に書かれているため、どんな場面にも対応できそうです!

 『漢字の使い分けときあかし辞典』は、2021年末にSNSで話題になり、今年重版となりました。このことについて著者である円満字二郎さんは、「2016年の初版発行から6年近くも経って、突然SNSで話題にしていただいて、びっくりしています。ツイッターを検索すると、ご愛用いただいている方のコメントもたくさん見つかりました。原稿書きはもちろん、組版やイラスト・表の作成までかなりこだわって自分でやった本なので、苦労が報われた思いがしています。」とコメントをくださいました。

 「どの漢字が適しているの?」と迷ったら、この辞書を引いてみてください。ぴったりの漢字が見つかると思います。円満字さんが連載していた漢字カフェ「四字熟語根掘り葉掘り」も一緒にチェックしてくださいね。

≪参考リンク≫

『漢字の使い分けときあかし辞典』HPはこちら
著者:円満字二郎さんのHPはこちら

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≪キンスケ紹介≫

漢字カフェ担当の漢検協会職員。
京都在住で、趣味は読書、博物館・水族館巡り。
好きな食べ物はスイカとおでん。

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