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ロマンティックな調理鍋

ロマンティックな調理鍋

 ラーメン作りに欠かせないこの鍋のロマンティックな名前の由来とは・・・?

 「行平(ゆきひら)鍋」と言います。この名前には、『伊勢物語』の主人公のモデルとも言われ、「小倉百人一首」の歌人としても知られる、在原業平(ありわらのなりひら)と関係が。

 在原業平には兄の在原行平(ありわらのゆきひら)がいました。行平は、知名度は弟に完敗かもしれませんが、“中納言行平”として「小倉百人一首」に歌をよんでいるほどの歌人。

そんな彼が、海女にこの鍋を用いて海水から塩を作らせたという故事から、行平の名を冠して「行平鍋」と呼ばれるようになったそう。

 鍋の中で海水が煮立ち、塩がまるで雪のように徐々に積もっていく様子から、行平自らの名前と「雪」をかけて「雪平鍋」と名付けたとの説もあり、これはとてもロマンティック!言葉遊びのセンスがさすが歌人ですね。

 普段何気なく使う日用品たちの名前にも、意外な由来があるかも?

≪参考リンク≫

・漢字ペディアで「行平」を調べよう

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