「珈琲」という漢字を最初に考案したすごい人!
「漢字カフェ(kanji cafe)」が開店して、3週間が経ちました。
カフェにはコーヒーがつきものですが、「コーヒー」を漢字で書いたらどうなると思いますか?
― え、簡単じゃない。「珈琲」でしょ?近所のお店の名前にも「珈琲店」って使われているもの。
たしかに「珈琲」という文字は、街の看板でも見かけることがありますよね。しかし、元は外来語であるはずのコーヒーになぜ漢字があるのでしょうか?
珈琲に関するあらゆる事業を展開し、世界で唯一のコーヒー企業「The coffee company」の実現を目指すUCC上島珈琲株式会社をまったくご存じないという方はいないでしょう。
「珈琲」という漢字を最初に考案したすごい人!との「コーヒートリビア」を見つけたのは、このUCCの企業サイトでした。
その「すごい人!」とは、幕末の蘭学者 宇田川榕菴(うだがわ・ようあん)のこと。
コーヒーの木に実った赤い実の様子が、女性の髪飾り(かんざし)に似ていることから、女性の髪飾りに使われる玉飾りを意味する「珈」と、玉飾りの紐を意味する「琲」を組み合わせて「珈琲」と表記したそうなのです。
しかも、この榕菴さんは、西洋の近代化学に関する書物を翻訳するにあたって、それまで日本語には存在しなかった学術用語を新たに生み出した人でもあるのだそう。たとえば、酸素・水素・窒素・炭素といった元素名、酸化・還元・溶解などの化学用語、さらに細胞や属などの生物学用語は、彼が生み出した造語と言われています。
オランダ語でコーヒーは"koffie”ですが、その音に合うだけでなく、コーヒー豆のイメージをも表す漢字を当てるところが、何とも素晴らしいセンスの持ち主ですよね。
漢字のもつ表意性をうまく使った当て字だったからこそ、今もなお人々に使われているのでしょう。
ちなみに、中国語で「コーヒー」は(口偏に「加」と口偏に「非」)と書きますので、ご注意を!
≪参考リンク≫
UCC上島珈琲企業サイト内「コーヒートリビア」の記事 はこちら
漢字ペディアで「珈」という字を調べよう
漢字ペディアで「琲」という字を調べよう