「仏滅」は縁起が良くないというのは本当?カレンダーに隠された秘密

新生活がはじまる季節。カレンダーを眺めるたびに新鮮な気持ちになる人も多いのではないでしょうか。
日本人は、カレンダーが大好きな国民と言われています。
このように身近なカレンダーですが、意外にも知らないことがたくさん。
さて、どのような秘密が隠されているのでしょう?
2015年12月に行われた「漢検生涯学習ネットワーク研修会」での会員発表の内容をもとにご紹介しましょう。
◆「カレンダー」、「こよみ」の語源は?
「カレンダー」の語源は「call」から来ています。昔は月の満ち欠けを見て暦が作られていました。ですから、「月が出た!」と「叫ぶ」ことがカレンダーの語源となっているのです。
では日本語の「こよみ」の由来はどうかというと、「日読み(かよみ)」がベースになったと言われています。
◆太陰暦と太陽暦
古代の暦は月の位相を元に作られており、それを太陰暦と言います。しかし、これでは季節に対応していないため、太陽の動きを元とした太陽暦も作られ、江戸時代はこの2つを併用した「太陰太陽暦」が用いられたそうです。
明治には欧米諸国と日付を揃えるため、太陽暦のみが用いられるようになりましたが、その時は世の中が大混乱に陥ったのだとか。新しい暦について解説した本がベストセラーになるほどだったそうです。
現代でも、サマータイムの導入などには慎重論が多い日本。突然こよみが変わった当時、どれだけ市民がとまどったのか、想像するに難くないですね。
◆「六曜」の不思議
結婚式や移転の日取りを決めるのに、「大安の日が良い」とか「仏滅は縁起が良くないから避けよう」など、「六曜」を参考にすることがありますよね。
この「六曜」は、順序が必ず決まっており、先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口の順で巡ってきます。
さらに旧暦では、1月と7月の1日は先勝からスタート、2月と8月の1日は友引でスタート、3月と9月の1日は先負でスタート…というように、各月の1日にあたる日もこの循環形式で決められており、新しい月になるとそこからスタートすることになっていました。
ですから、旧暦の中秋の名月となる8月15日は、8月は友引で始まるから、友引から15日分を数えたら、仏滅。
そう、「中秋の名月」は必ず仏滅の日になっているというのです。
「なんだ、単純な循環形式なのか」とガッカリした方もいるかもしれません。
追い打ちをかけるわけではありませんが、六曜の「仏滅」は本来「物滅」と表記されていたもので、仏教とはあまり関係がないようです。
「六曜なんて単なる迷信!結婚式の仏滅割引があってむしろお得なんじゃない!?」と考えるか、「でも、やっぱりお祝い事には仏滅は避けたいなあ。」と考えるか。
みなさんはいかがですか?
≪参考リンク≫
・講演「暦の漢字-「仏滅」は縁起がよくないのか?―」矢作 詩子 さん 生涯学習ネットワーク『会員通信』(Vol.20(2016.2発行)掲載
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