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日本語ができない子供たちへの支援を強化(文科省有識者会議の提言)
2016.04.22
今、日本の学校では、親が外国人であるなどの理由で日本語ができない子供たちが増えています。
文部科学省の調査によると、公立の小中高校や特別支援学校に通う外国籍の子供のうち、日本語で学習ができないのは29,198人(2014年度)。また、日本国籍であっても海外在住期間が長い、国際結婚で生まれた子供であるなどの理由で、日本語での学習が困難な子供が7,897人おり、いずれも過去最多の数だそうです。
また、このうちの大半が、公立小中学校に在籍しているそうです。
しかし、こうした子供たちを専任で指導する教員は、充分な人数が確保されていないのが現状でした。
そこで、2016年4月18日に行なわれた文部科学省の有識者会議において、こうした子供たちへの教育支援を強化することが提言されました。
具体的には、拠点校に専任教員を配置する、教員の研修、各学校で開発された日本語指導のための教材を共有する、高校入学枠の拡大などが挙げられたとのことです。
外国にルーツを持つ子供たちの学習や進学は、最近の学校現場の課題の一つでした。言葉は学習の根幹であるため、教科書が読めない、先生やクラスメイトが話 している内容がわからないということが続くと、子供たちは学ぶ意欲を失ってしまうのです。学ぶ意欲を失った子供たちが、進学や将来への希望を失うのも無理 はありません。
外国にルーツを持つ子供たちが、日本語を母語とする子供たちと同様に学べる環境が整えば、国内外で活躍する人材をより多く輩出することにつながるでしょう。今回の提言が実現されることで、子供たちや学校の先生の環境が改善されることを期待したいです。
当協会が行っている「漢字・日本語教育研究助成」の助成対象となった研究にも、外国にルーツを持つ子供たちへの支援に関するものがあります。現在、外国にルーツを持つ子供たちの問題に直面している学校の先生方の一助になれば幸いです。
〔リンク〕
漢字・日本語教育研究助成制度についてはコチラ (平成28年度の助成対象研究は現在募集中!5/27まで)
外国にルーツを持つ子供たちへの支援に関する研究 …平成23年度研究助成報告はコチラ
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