気になる日本語
夜に口笛を吹いてはいけないのはなぜ?

両親やおじいちゃんおばあちゃんに言われたことないですか?「お前、夜に口笛を吹いたら蛇が出るぞ」と。
夜に口笛を吹くと近所迷惑になるから、とのしつけ的な意味合いで誰もが怖がる「蛇」を登場させていたのだろうと理解しがちな私たち。
蒸し暑い日も増えてきたいまだから、少し背筋の寒くなるこんなお話はいかが?
昔の人には、口笛の音色は神や精霊を呼び寄せる力があると信じる者もいました。
神聖なる神や精霊を呼び寄せる力は、一方では「招かれざるもの」も引き寄せる力も併せ持ち、特に霊的な存在が活動する夜に軽々しく口笛を吹くべきではないとされていました。このタブーを犯さないために、「夜に口笛を吹くと邪(じゃ)が出る」(邪=招かれざる邪悪なもの)と警告を発したのです。
時代の流れとともに、「邪(じゃ)」が「蛇(じゃ)」に変化し、今日の「夜に笛を吹くと蛇(へび)が出る」となった、という俗説。
今夜のバスルーム。ご機嫌さんでお気に入りソングを口笛で一曲。
シャンプーを洗い流し目を開けた途端、目の前の鏡越しに映るあなたの背後にそれは誰?