やすみりえの「ことのは5・7・5」Vol.2

著者:やすみりえ(川柳作家)
みなさんの身近には「雨女」や「雨男」いらっしゃいますか?
実は私、家族や友人から「あなたは雨女のような気がするなあ~」とよく言われています。確かにこれまでの人生を振り返ると、記念日や大切な行事、楽しみにしていたイベントの際、雨が降ってきた思い出はけっこうあります。そんなのは俗信のひとつ、と思ってしまえばそれまでですが楽しむのもあり。そんなわけで私は「雨女」に必需品の、傘をあれこれ集めています。
例えば、なんといっても急な雨に遭う確率が高いのが雨女ですから、折り畳み傘は外せません。
コンパクトで軽量なものは、小さなバッグの時にしのばせます。折り畳みでもワンタッチで開くタイプはやはりとっても便利ですし、季節によってはUV対策もしたいので、晴雨兼用をチョイス。折り畳み傘だけでもバリエーション豊かに使い分け。もちろん、長傘も同様です。
さらに、日ごろから和装で外出する機会が多いので、それに似合う色や柄を選ぶのも楽しいです。着物の袖や裾への滴りをなるたけ避けるべく大きく広がるサイズのものや番傘風のデザインのものなども愛用しています。
〈日傘雨傘 かわりばんこの恋模様〉(りえ)
これは、そんな私が詠んだ一句です。他にも、
〈ラララララあなたの嘘に傘をさす〉(りえ)
いずれもずいぶん前に詠んだ作品ですが、やっぱりなんだか雨女の雰囲気が漂っているのかも。
いつだったか、フランス人の友達に私が雨女だと話しました。すると「フランスでは音痴な人が歌をうたうと雨が降ってくる、なんて言ってからかったりしますよ。」と教えてくれました。なるほど、世の中にはきっといろんな面白い俗信やジンクスがあるのでしょうね!
≪著者紹介≫
やすみりえ(川柳作家)
1972年、神戸市出身。大学卒業後、本格的に川柳の道へ。恋愛をテーマとした独自の川柳作品を発表するかたわら、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の川柳コーナーの選者を務める。 また、各種コンテストの審査員も多数。文化庁国語課「言葉について考えるワークショップ」では小・中学生に句を詠む楽しさを伝える活動も行っている。『サラリーマン川柳 よりぬき傑作選』(選、監修)『50歳からはじめる、俳句・川柳・短歌の教科書』(監修)、最新句集『召しませ、川柳』等出版も多数。
文化庁文化審議会委員、(一社)全日本川柳協会会員
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