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作文教育に有効な研究報告を公開!~平成27年度漢字・日本語教育研究助成制度~

作文教育に有効な研究報告を公開!~平成27年度漢字・日本語教育研究助成制度~

 公益財団法人日本漢字能力検定協会では、わが国における漢字・日本語(国語)教育の質的向上に資するため、「漢字教育に関する研究」、「文章指導に関する研究」、「日本語教育に関する研究」を助成の対象として、意義ある教育活動を社会全体に広く公表する「漢字・日本語教育研究助成制度」を運営しています。

 このたび、平成27年度の同制度における対象研究2件の報告書がまとまり、協会ホームページにおいて公開いたしました。
 今回報告された2件の研究は、奇しくも「作文」を研究素材としたものでした。それぞれの研究内容を簡単にご紹介したいと思います。

 1件目の富山大学 宮城信氏による「作文コーパスを資料に児童・生徒の漢字使用・選択傾向と発達の実態を明らかにする―語彙情報つき作文コーパスの構築と学齢別語彙・漢字使用実態調査―」では、小・中学校の児童生徒の作文をデータ化した作文コーパスを分析することにより、児童・生徒が実際に作文を書く際にどの程度漢字を使用しているかという実態を調査した結果が報告されています。学齢ごとに同じテーマの作文を書かせた結果、どのくらい文章量や語彙数に差があるのかも分析されており、小中学生の語彙力の伸び方がわかる興味深い調査です。

 2件目の「仲間と創る授業プロジェクト(活水女子大学 和田一菜氏ら)」による「作文授業を改善する実用的なアイデア教材の開発-日本語教師・日本語学習者の意識調査をもとに-」では、インタビュー調査やアンケート調査によって、日本語学習者が問題だと認識している項目を抽出したり、日本語教師が作文授業を行う上での問題点やピア・レスポンスを実践する上での問題点を明らかにしています。

 研究報告書は、以下のリンク先よりPDFでご覧いただけます。ぜひお読みください。

 なお、平成29年度「漢字・日本語教育研究助成制度」の募集概要は、平成29年3月よりホームページで公開します。

≪参考リンク≫

平成27年度「漢字・日本語教育研究助成制度」の報告書はこちら
過去の助成制度に関する情報はこちら

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