歴史・文化

漢字の意味と美を表すコマ撮りアニメ“kanjigram”って?

漢字の意味と美を表すコマ撮りアニメ“kanjigram”って?

 SNSのInstagram上に「kanjigram」という漢字を主題にしたコマ撮りアニメのアカウントができました。

 「kanjigram」では、漢字一字を主題にした数秒の動画が上げられています。題となる漢字によって使われる材料は様々。例えば、「婚」の場合は水引き、「紫」はアジサイといったようにその漢字を連想させる物を使った動画もあれば、「桃」や「梅」のようにそのものをモチーフにした動画もあります。漢字のデザイン性を用いた動画なのかなと思って見てみると、漢字の意味や成り立ちまで考えながら作られており、たった数秒なのに印象深くそしてどこか懐かしい雰囲気がします。

「kanjigram」で公開されている動画 kanjigram」で公開されている動画

 そこで、「kanjigram」を運営するアニメーターの廣木綾子さんにお話をおうかがいしました。


―漢字をテーマにしたコマ撮りアニメを作られたきっかけは?
(廣木さん、以下同)漢字は日本人が共通のイメージを持てるものです。 漢字自体の形や成り立ちは、歴史の中で古人が引き継いできた誇らしいデザインであり、世界に日本らしさが表現できるツールです。漢字をアニメーションのテーマにすることで、いろいろな遊び方・表現ができるのでは、と思いついたのがきっかけです。

ーどんな方々にこの動画を見ていただきたいでしょうか?
 大人の方に、子どもの頃を思い出しながら見ていただきたいです。 もちろん、漢字に初めて触れる方にも。 制作を始めて、海外の方に漢字の意味が伝わった時は本当に嬉しかったです。 アニメーションから意味が伝わり、楽しみながら漢字に触れていただけたら幸いです。

ー漢字をアニメーションにすることで感じられた漢字の魅力や面白さがあればお聞かせください。
 漢字を覚え始めた子どもの頃は、「この漢字、笑ってるみたい!」など、その人その人の想像があったのではないかと思います。 それをアニメーションで実現できるのは面白いです。 また、漢字のかたちの魅力を再認識しました。 制作していく中で木や紙で実物を作り、手元にかたちとして現れると全く印象が違います。 ぜひ、自分の名前の漢字を実際にかたちにして触ってみるのをおすすめしたいです。 漢字の成り立ちにも、調べれば調べるほど歴史的な背景や文化の発見があり、その奥深さに魅力を感じています。


 なるほど、なんだか懐かしいような印象を持ったのは、私たちが初めて漢字を見た時の感覚に近しいものを感じたからかもしれませんね。

 皆さんもお気に入りの動画を見つけてみてください!

≪参考リンク≫

Instagram(インスタグラム)のkanjigramのアカウントはこちら 
 Twitterでも見られます。Twitterアカウントはこちら

≪廣木綾子さん略歴≫

1986年生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業後、空間・ステージ演出のデザイナー職を経て、コマ撮りアニメーター真賀里文子氏に師事。
現在は映像プロダクション、太陽企画株式会社のコンテンツクラフトチーム“TECARAT(テカラ)”に所属。プラネタリウム映像や企業広告のコマ撮りアニメーション演出を務める。
(主な作品)
・プラネタリウム作品「眠れない夜の月」(アニメーター) https://www.youtube.com/watch?v=KzcPaVxvw_I
・プラネタリウム作品「ノーマン・ザ・スノーマン」シリーズ(アニメーター)https://www.youtube.com/watch?v=CXjl2ArMbPk
・ショートムービー“TRANSFORMING”(アニメーションディレクター) https://vimeo.com/124307239
・株式会社トヨタマーケティングジャパン「プリウス試乗味ガム」WEBムービー(アニメーター)

※トップ画像は、2017年7月6日12時時点のものです。

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