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漢字を専門に研究する日本初の学会、「日本漢字学会」が正式に発足。

漢字を専門に研究する日本初の学会、「日本漢字学会」が正式に発足。

 2018年3月29日に京都大学で「日本漢字学会」設立総会が開催され、漢字に関する日本初の専門学会である「日本漢字学会」が正式に設立されました。

 同学会は、公益財団法人 日本漢字能力検定協会が、日本における漢字文化研究のより一層の振興をはかるため、全国の研究者に呼びかけたことがきっかけとなり発足したもので、設立総会には約300名の大学研究者や大学院生、活字・印刷・出版等に携わる企業・団体、漢字に興味のある一般の方々が集まり、満場一致で設立が承認されました。

 初代会長に選ばれた漢検 漢字文化研究所所長の阿辻哲次京都大学名誉教授は、発足に際し、「日本の古代から現代にいたるまで、歴史の中で漢字はきわめて多様な姿を見せてきた。そこにはめんどうで複雑な問題もたくさんあるが、しかし漢字が私たちと切っても切り離せないものである以上、それらの問題についてもだれかが真剣に取り組み、解決していく必要がある。日本語と漢字の明るい未来のために、この学会がなんらかの役に立てば幸いである。」と抱負を述べました。

 日本漢字学会は、大学等の研究者のみならず市井の漢字愛好家や活字・出版文化の推進に関わる企業等にも広く参加を募り、漢字の形・音・義という伝統的な研究はもとより、漢字の情報処理や漢字教育など幅広い分野で研究していき、今後、会員の論文を集めた学会誌等を発行するほか、今年の12月には第1回の研究大会を京都で開く予定です。

 入会や今後の活動の詳細を知りたい方は、以下の学会ホームページをご覧ください。

≪参考リンク≫

日本漢字学会ホームページ:https://jsccc.org/

≪設立総会・シンポジウムの様子≫

●日時:2018年3月29日(木)13:00~16:00
●会場:京都大学百周年時計台記念館 百周年記念ホール
●プログラム
・開会の御挨拶
  公益財団法人 日本漢字能力検定協会常任理事 山崎信夫
 公益財団法人 日本漢字能力検定協会常任理事 山崎信夫

・第1部 設立総会(13:00~13:45)
 学会設立趣旨説明
  公益財団法人 日本漢字能力検定協会漢字文化研究所 所長
  京都大学名誉教授  阿辻哲次
 公益財団法人 日本漢字能力検定協会漢字文化研究所 所長、京都大学名誉教授 阿辻哲次先生
 会則案の承認
 役員案の承認
 2018年度の事業計画・予算案の承認

・第2部 記念シンポジウム(14:00~16:00)
 テーマ:「漢字学の未来を考える」
 「漢字学」は今後どの方向に進むべきか、またそこにはどのような課題が残されているか。漢字文化の広がりと、その過去・未来について、各分野を代表する研究者たちが、ディスカッションを通じて共通の課題を探る。
 パネリスト:
  阿辻哲次((公財)日本漢字能力検定協会漢字文化研究所所長 専門:中国語学)
  池田証壽(北海道大学大学院文学研究科教授 専門:国語学)
  小倉紀蔵(京都大学大学院人間・環境学研究科教授 専門:韓国・朝鮮哲学)
  笹原宏之(早稲田大学社会科学総合学術院教授 専門:国語学)
  清水政明(大阪大学大学院言語文化研究科教授 専門:ベトナム語学)
  山本真吾(白百合女子大学文学部国語国文学科教授 専門:国語学)

日本漢字学会設立総会・シンポジウムの様子

 日本漢字学会設立総会・シンポジウムの様子

 閉会の挨拶
  大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科教授 大形 徹
 大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科教授 大形徹先生

・役員会(理事・評議員)(16:15~16:45)
 日本漢字学会の役員会の様子

・懇親会(17:00~18:30)
 会場:京都大学カフェレストラン カンフォーラ
 乾杯の挨拶
  京都産業大学外国語学部教授 森 博達
 京都産業大学外国語学部教授 森博達先生
 
 閉会の挨拶
  京都大学名誉教授  木田 章義
 京都大学名誉教授 木田章義先生

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