社会人も要チェック!よくある漢字の間違い5選~漢検・採点現場より①~

公益財団法人 日本漢字能力検定協会は、日本漢字能力検定(以下、漢検)を主催し、年間約200万人分の答案を採点しています。今回より、“漢検採点のプロフェッショナル”ゆーみんが、漢字の書き方に関する役立つ情報を連載でお届けします!
はじめまして、ゆーみんです!
今回は、漢検の採点現場で見かける、漢字の「よくある間違い」をご紹介。「手書きの機会が多い漢字」を厳選しているので、社会人の皆さんも要チェックです!
①「様」は上から下まで一画で!(8級)
〔×の例〕 〔正しい例〕
宛名書きなどで書くことも多いこの漢字。「様」の右側を、〔×の例〕のように分けて書いてはいませんか?10画目は上から下まで一画で書きましょう。
②「御」は上から下まで一画で&構成違いにご用心!(4級)
〔×の例〕 〔正しい例〕
この漢字も、「△△会社 御中」など、宛名に添えて書くことが多いですね。〔×の例〕のように書いてはいないでしょうか?書き順も一緒にチェックすると、バランスの良い綺麗な字を書くことができそうです。今一度、実際に書いて確認してみましょう。
③「頑」は「云」ではなく「元」!(準2級)
〔×の例〕 〔正しい例〕
「元」部分を「云」と書いてしまいがちなので要注意です!当協会運営サイト「漢字ペディア」にて「頑」を調べてみると、「頁と、音符元(グヱン)→(グワン)とから成る。」とのこと(出典:『角川新字源 改訂新版』(KADOKAWA))。つまり、「元」は「ガン」(※「グワン」の現代仮名遣い)という音を表しているのですね。激励のメッセージを送るときは、うっかり「張って!」と書いてしまわないように気をつけましょう。
④「募」は「刀」ではなく「力」!(3級)
〔×の例〕 〔正しい例〕
「募」という漢字は「○○募集中!」などでよく見かけますね。「力」を「刀」と間違えて覚えている方が多いようです。手書きのチラシやポップを作成するときは注意しましょう。
⑤「裕」は点ありの、ころもへん!(準2級)
〔×の例〕 〔正しい例〕
「裕福」「余裕」といった熟語以外に、「裕美」「裕介」などお名前に使われることも多いこの漢字。「衤(ころもへん)」か「礻(しめすへん)」で迷ったことはありませんか?「漢字ペディア」で「裕」のなりたち欄を見てみると、「衣服がたくさんある、ひいて、ゆとりの意を表す。」とのこと(出典:『角川新字源 改訂新版』(KADOKAWA))。「衣服がたくさん」だから「衤(ころもへん)」、と覚えれば、迷うこともなくなりそうですね。
いかがでしたか?間違って覚えていたものがあれば、ぜひこの機会に正しい形を覚えておきましょう!
≪参考リンク≫
・漢検で○になる字、×になる字をわかりやすく解説!
→漢検の採点についてはこちら
・さらなる漢字力アップを目指して、漢検を受検してみませんか?
→漢検HPはこちら
≪おすすめ記事≫
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≪ゆーみん紹介≫
漢検採点のプロフェッショナル。
趣味は鉄道で日本各地を旅すること。
好きな食べ物はバターサンド。
≪記事画像≫
アン・デオール/PIXTA(ピクスタ)