ことばに迷ったときの救世主!『マスコミ用語担当者がつくった 使える!用字用語辞典』

こんにちは、漢字カフェ担当のキンスケです。
8月12日に公開した記事でも話題となっていた「空」「開」「明」の使い分けなど、ことばや漢字に迷ったとき、みなさんはどうしていますか。本日は、文章の執筆・編集・校閲のあらゆる困った場面に役立つ『マスコミ用語担当者がつくった 使える!用字用語辞典』(三省堂)を紹介します。
用字用語辞典って?
用字用語辞典とは、文字やことばの使い方について書かれた辞典のことです。語釈を中心とした国語辞典とは表記内容が大きく異なります。例えば「準備」という単語を引いてみると、『日本国語大辞典』(小学館)には
[名]ある事を行なうにあたり、前もって用意をすること。したく。そなえ。
と書かれています。『使える!用字用語辞典』には、語釈はなく、以下のように記載されています。
×「準備万端」「準備は万端だ」→準備万端整った、準備は万全だ *「万端」は、すべての事柄、手段のこと。それ自体に「整う」という意味はないため、「準備万端」だけでは「準備がすべて整った」意にはならない。
同じことばでも辞書によって、書かれている情報が大きく違います。国語辞典を引いても使い方が分からなかったときは、「用字用語辞典」を引くと解決するかもしれません。
『マスコミ用語担当者がつくった 使える!用字用語辞典』について
「マスコミ用語担当者がつくった」とあるように、新聞や放送の表記ルールが示されています。間違えやすい事例の他、最新の単語である「3密」や「君・さん・ちゃん」の使い分けコラムなど、気になる内容ばかりです。
さらに付録には「マスコミ常用漢字表」が収録されています。内閣告示の「常用漢字表」は2136字で、それ以外の字(表外字)はひらがなで書いたり、読み仮名を記載したりするのが一般的です。しかしこの辞典では常用漢字表には掲載されていないが、新聞では読み仮名なしで使用する漢字も加え、2166字を見出し字としています。例えば、「蘇」や「杖」は、表外字ですが読み仮名なしで表記される字です。
新しい発見ばかりの『使える!用字用語辞典』。漢字カフェで「新聞漢字あれこれ」を連載している小林肇さんも、編著者のひとりとして制作に携わっています。連載で話題となったことばを、今一度この辞書で引いてみるのもおもしろいです。
気になった方はぜひ一度お手に取ってみてくださいね。
≪参考リンク≫
『マスコミ用語担当者がつくった 使える!用字用語辞典』の詳細はこちら
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≪キンスケ紹介≫
漢字カフェ担当の4年目漢検協会職員。
京都在住で、趣味は読書、博物館・水族館巡り。
好きな食べ物はスイカとおでん。