気になる日本語漢字・日本語ニュース

(笑)、「あ゛」、「おk」を使う人はどれくらいいる?~平成27年度国語に関する世論調査より~

(笑)、「あ゛」、「おk」を使う人はどれくらいいる?~平成27年度国語に関する世論調査より~

 本日は、9月に文化庁が発表した「平成27年度国語に関する世論調査」の結果よりご紹介したいと思います。

 今日のテーマは「(3)情報化の中でのコミュニケーション」です。

毎日の生活に必要な情報を得ているものとして「携帯電話(スマートフォン含む)」が急上昇!

 毎日の生活に必要な情報を何から得ているか、利 用することの多いものを尋ねた質問(選択肢の中から三つ まで回答)では、 「テレビ 」が 85.9% と最も高く 、次いで 「新聞 」 (67.7%)、「携帯電話(スマートフォン含む)」(41.9%)、「パソコン」(28.5%)となりました。平成20年度の調査では12.1%だった「携帯電話(スマートフォン含む)」が飛躍的に伸びているのに比べて、「新聞」や「雑誌」、「本や辞典」などは軒並み減少しており、私たちの情報を得る媒体が紙からデジタルへと移行してきていることがわかります。年代別にみると、10代~30代では「テレビ」と「携帯電話(スマートフォン)」の選択率はほぼ同じで80%前後となっています。60代、70代の80%以上が「新聞」を選択しているのに対し、10代~30代では40%未満、と年代によって情報源に大きな違いがあることもわかります。(図1参照)

言葉や言葉の使い方にも携帯電話(スマートフォン含む)の影響が大きくなっている!?

 日頃触れている媒体が異なると、「言葉や言葉の使い方」にも影響が出てくるようです。
 言葉や言葉の使い方に大きな影響を与えると思うものを尋ねた質問(選 択肢の中から三つまで回答)では、 「テレビ 」が 86.6%と最も高く、次いで、「新聞 」 (43.7%)、「携帯電話(スマートフォン含む)」(34.3%)と なりました。こちらも年代別にみると、10代~30代では50%以上が「携帯電話(スマートフォンを含む)」を選択し、テレビに次いで2位となりました。60代、70代では「新聞」が2位でした。(図2参照)

(笑)、「あ゛」、「おk」を使う人はどれくらいいる?

 ちなみに、今回の調査ではこんな質問も行われていました。

問:次に挙げるような記号類や表記を用いた表現を見たことがあるか。また使ったことはあるか。

 (1)(笑),(汗),(怒)などの感情を表す表現
 (2)「あ゛」「え゛」「ま゛」など、一般的な書き方としては「゛」 (濁点)を付けない仮名に「゛」(濁点)を付ける表現
 (3)「OK」を「おけ」や「おk」、「UP」を「うp」な ど、誤入力から発生したとされる表現
 (4)絵文字など、絵文字と呼ばれる表現


 皆さんならどのように回答しますか?
 また、一般的にはどの程度の人が使ったことがあると答えると思いますか?

 (1)(笑)、(汗)、(怒)などの感情等を表す表現 については、 「使うことがある」が 39.3%と最も高く、次いで、「見たことはあるが使うことはない」(37.9%)となりました。また、性別に見ると、「使うことがある」は女性の方 が 12 ポイント高いが、「見たことはあるが使うこ とはない」は男性の方が8ポイント高くなりました。

 (2)「あ゛」「え゛」「ま゛」などの一般的な書き方としては「゛」 (濁点)を付けない仮名に「゛」(濁点)を付ける表現については、「見たことがない」が 55.8%と最も高くなっており、 性別に見ると、「見たことがない」は男性の方 が6ポイント高くなりました。

 (3)「OK」を「おけ」や「おk」、「UP」を「うp」な ど、誤入力から発生したとされる表現については、「見たことがない」が 55.5%と最も高くなっており、 性別に見てもあまり違いがないようです。

 (4)絵文字など、絵文字と呼ばれる表現については、「使うことがある」(56.1%)と「見たことはあるが使うことはない」(29.0%)を合わせた「見たことがある(計)」は 85.1%となっていました。また、 性別に見ると,「使うことがある」は女性の方が 24 ポイント高く、「見たことはあるが使うことはない」は男性の 方が 21 ポイント高くなりました。(すべて図3参照)


 (笑)や(汗)などは使ったことがあると回答した人が最も多いといえども40%以下。「あ゛」や「え゛」などは「見たことがない」と回答した人が半数以上という結果に、「みんなもっと使っていると思っていた!」と驚いた人もいるのではないでしょうか。

 上の(1)から(4)は仲間内でのメールやSNS上ではわりとよく見られる表現ではありますが、日頃利用しない人にとっては「意味の伝わりにくい表現」となり、場合によっては誤解を生む可能性もあります。

 自分が日頃よく使っていると気にせず使ってしまいがちですが、その表現は本当に相手に伝わる表現なのか、一度立ち止まって考えてから用いるようにしたいですね。

(図1)
毎日の生活に必要な情報の取得手段

図2
言葉遣いに大きな影響を与える情報媒体
年齢別に見た言葉遣いに大きな影響を与える情報媒体

図3
記号順や表記の認知度

図1~3は平成27年度「国語に関する世論調査」結果より

≪参考リンク≫

 文化庁 平成27年度「国語に関する世論調査」の結果はコチラ

記事を共有する