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人名用漢字に「渾」が追加
2017.09.27
法務省は9月25日に、人名用漢字に「渾」の1字を新たに追加し、計863字とする改正戸籍法施行規則を施行しました。
今回追加された背景には、子どもの名前に「渾」を使った出生届を自治体に受理されなかった親が、家庭裁判所に不服の申し立てをした結果、受理を命じる判断が確定したという経緯がありました。司法判断を受けた追加は2015年の「巫女」の「巫」以来となり、これにより人名に使える漢字は2768字種2999字体となります。
そもそも人名につけられる漢字は、法律で決められているということをご存じでしょうか。
戸籍法では「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない」と規定されており、使えるのは常用漢字2136字とひらがな、カタカナ、そして人名用漢字と定められています。
人名用漢字は、1951年に初めて定められました。この時の数は92字。その後少しずつ字種・字体が追加されていきましたが、名前の多様化が進み、希望する漢字が使えないという不満の声も増えたことから、2004年には大幅な追加が行われ、983字になりました。2010年の常用漢字表改定により、人名用漢字の一部が常用漢字に含まれたため人名用漢字は861字に減りましたが、2015年に「巫」、今回「渾」が追加されて863字となりました。
子の名づけについては、バリエーションが増えていると感じる一方で、「親から子への気持ちを反映したものにしたい」「子どもが一生使うのにふさわしい名前にすべきだ」「漢字が持つ本来の読みからかけ離れた読み方をさせるべきではない」など様々な議論も起こっています。人名用漢字が増えるとつけたい名前がつけやすくなる一方で、その漢字の読み方を知らないというケースも増えるだろうと思われます。初見では読みにくい名前の場合はふりがなをつけるなど、読まれることへの意識も大切にしたいところですね。
【参考リンク】
漢字ペディアで「渾」を調べよう。
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