難読漢字

「嬲る」と「嫐る」の意味の違いは? ~謎の漢字に迫る~

「嬲る」と「嫐る」の意味の違いは? ~謎の漢字に迫る~

★2023年11月22日記事を更新いたしました。リンク先のNHK「視点・論点」のページが非公開になったことを受け、2023年8月より早稲田大学の笹原宏之教授による新たな記事を連載しております。詳しくは、こちらからご覧ください。

 私たちがスマホやパソコンで漢字を変換すると、たくさんの候補となる漢字が出てきます。世の中に無数にあると言われる漢字のなかでスマホやパソコンの変換で出てくるのは、主にJIS漢字と呼ばれる工業規格に含まれている漢字です。

 ところが、普段めったに目にすることがないような漢字もこのJIS漢字に含まれていることがあります。

 10月17日にNHKで放送された「視点・論点」に早稲田大学の笹原宏之教授が登場され、「謎の漢字」についてお話されました。

 例えば、「筰」という漢字。どこかで見たことがありませんか。音楽の授業で習った「赤とんぼ」の作曲者、山田耕筰(やまだ・こうさく)さんのお名前に使われている漢字と言われたら、思い出す方も多いのではないでしょうか。

 実は、山田耕筰さんの「筰」は、元は「作」だったそうですが、彼が抱えていたある悩みから、自ら改名したのだそうです。

 しかし、この漢字がパソコンで変換できるのは、山田耕筰さんを入力するためではありませんでした。笹原教授はこの理由についてある地名が関係しているとお話されています。

 さらに、笹原教授の解説では、「嬲る」と「嫐る」という漢字の違いについても触れられています。

 「嬲る」と「嫐る」はともに「なぶる」という読みを持つ漢字で、本来は意味も同じだそうです。しかし、「男 女 男」と「女 男 女」の並び方の違いによって、漢字に対して沸くイメージが違うと感じる人もいるのではないでしょうか。

 さらに、フランス人がこの漢字を見ると、全く違った意味の言葉だと思うようで…。

 気になる方は、ぜひNHKの「視点・論点」のホームページに笹原教授の解説内容が掲載されていますので、ぜひお読みください。(2023年11月22日現在、サイト非公開)

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「嬲」と「嫐」の各地での受け入れと変容(全9回)

はじめに
中国での「嬲」と「嫐」
「嬲」と「嫐」
平安・鎌倉時代の「嬲」と「嫐」
南北朝時代から江戸時代までの「嬲」と「嫐」
地名とJIS漢字の「嬲」と「嫐」
フランス人の「嬲」
フランス在住のルーマニア人の「嬲」
スペイン人、スイス人、ドイツ人ほかの「嬲」と「嫐」

≪参考リンク≫

漢字ペディアで「嬲」を調べよう
漢字ペディアで「筰」を調べよう

≪記事画像≫

Ushico / PIXTA(ピクスタ)・bst2012 / PIXTA(ピクスタ)

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